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作品 主旨 制作風景 開催案内

<ワークショップ主旨>     嶋田 英也

ワークショップ主旨のご説明の前に、まず、私の制作コンセプト(主旨)の説明をさせて下さい。  日本という国には昔から「やおよろず八百万の神」といわれる様に、アニミズム(自然神などの多神教をここでは意味します)を母胎とした文化や生活が営まれてきました。今ではすっかり見向きもされなくなってしまいましたが、私はこの日本的アニミズムが、我々のアイディンティティー(ここでは我々の根底にある民族性の意)と大きく関わっているだけでなく、自然と人間が共存していく上で非常に重要なキーワードに思えて仕方がありません。   例えば我々の祖先は、全ての物(有機物・無機物を問わず)に命を感じ、その全ての命を平等に捉えていました。その一例として、我々が食事の前に言う「いただきます。」の本当の意味は、食物に対し、「あなたの命を私に下さい。では頂きます。」から来ている事でも想像がつきます。また、高温多湿な環境に適合した日本建築や着物などから、日本人が生活の中に上手く自然を取り入れ(あるいは自然の中に上手く生活をとけ込ませ)、人間と自然との共生・共存を調和良く営む方法を知っていた事も伺い知れます。  話を戻しますが、私の芸術活動は前記の日本のアニミズムをもう一度、現代生活に復元してみようと試みる事なのです。ですから私の言う「精霊」とは「もののけ」や「森の魂」といった類のものです。  もし、身近な草むらの中に「精霊」を感じる事が出来れば、簡単にゴミを捨てる事も出来なくなるでしょうし、自然と接する時の意識も変わります。自宅の中でも簡単な変化で「精霊」の住みかを作る事は出来ます。例えば蛍光灯を使う時間を減らし、ロウソクのみの灯りで夜の闇を五感で感じてみて下さい。その影から出来る暗闇から産まれる「何かの気配」はあなたの気持ちの豊かさに大きく関わっていく事でしょう。  私がよくワークショップを行う理由は、「精霊」探しを画廊や美術館といった場ではなく、皆さんが日常生活を営む身近な場所で、この「精霊」探しをして欲しいからです。  「精霊をどこに置こうかな。ここかな。それともこっちかな。」と居場所を探していくうちに、「なぜ私はここに精霊を置こうとしているのかな。」という事を考えて欲しいのです。そしてあなたの作った精霊を置く前から、その場所には本当の「精霊」がずっと住んでいる事に一人でも気づいてくれたのなら、私のワークショップは成功したと思います。

<感想>

今までは私が作った作品の「精霊」を使って、「精霊」の居場所を探すワークショップを行ってきました。今回の様に参加者の皆さん自ら「精霊」を作る事は、実は今回が最初の試みでした。ですから多くの不安もあったのですが、それはいい意味で裏切られました。  出来上がった「精霊」達は多少、映画の「もののけ姫」や「トトロ」の臭いのする物もありましたが、奇想天外な物も多く、私も見ていて非常に楽しめましたし、何より参加者の皆さんから「また来年もやってね。」との声に、やった甲斐があったとスタッフ共々喜んでおります。お家に帰られてからも精霊探しの続きをして頂けたら、私としては何よりの喜びで御座います。  最後になりましたが、ボランティアスタッフ一同とアートyou遊の皆さん、また今回資金援助を頂きました魚観荘さん、多大なるご協力ありがとう御座いました。

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